体外受精の胚盤胞移植について
2024年06月20日
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目次
移植・胚盤胞
体外で受精させた受精卵を子宮に戻すことを「体外受精-胚移植(IVF-ET)」といいます。2021年の調査によると、体外受精で生まれる子供は11.6人に1人で、治療のピークは39歳、続いて40歳、41歳と公表されています。
移植には①初期胚移植、②胚盤胞移植、③2段階移植、の方法があります。
初期胚移植(新鮮胚移植)
受精卵を2~3日間培養した胚(初期胚)にしてから子宮に戻す方法です。30代までの着床率は27.3%、40歳以上では22.2%とされています。
良好な胚を移植できることと、受精卵から発せられる物質が子宮の内膜に作用し、着床しやすい環境を整えてくれることが期待できます。
胚移植のキャンセル(胚盤胞まで育たず移植できないこと)を防ぐことも出来ます。
胚盤胞移植
受精卵を5~6日目まで培養した胚を戻します。
5~6日まで発育できる良好な胚を選択できるため、初期胚移植と比べて妊娠率が高くなり、30代までの着床率は69.3%、40歳以上は34.0%とされています。
胚盤胞は、将来赤ちゃんになる胚細胞塊(ICM)と、胎盤になる栄養外胚葉(TE)に分かれ、それぞれの細胞をグレードで表すことが出来ます。移植はより良いグレードのものから行われます。
良好胚細胞は移植または凍結され、発育速度の遅い胚は受精6日目、7日目まで培養を続け、凍結することもあります。
卵管など、子宮内膜以外の場所に着床する「異所性妊娠」の可能性も低くなります。異所性妊娠は体外受精でも可能性を0にすることはできません、初期胚移植では2.5%の確率で起こりますが、胚盤胞移植では1%以下に下げることが出来ます。
しかしデメリットとして、受精卵が胚盤胞まで育たず、移植のキャンセル率が高くなることがあります。
2段階移植
何回か胚移植をおこなったが不成功だった人が対象となり、3日目に初期胚を移植し、同じ周期の5日目に胚盤胞を移植する方法です。
初期胚を先に移植することで子宮内膜が刺激され、着床に向けての環境が整い、後に移植する胚盤胞の着床胃率を上げるのではないか、と考えられています。
妊娠率が上がるという証拠は発表されていませんが、妊娠率の向上を報告している施設も存在します。
デメリットとしては、複数個の胚を移植するため、多胎妊娠(双子や三つ子)の可能性が上がるということです。
胚盤胞のグレードについて
胚にはいくつかのグレードが存在します。最初の数字は胚の成長ステージで、前のアルファベットは将来赤ちゃんになる細胞の評価、後のアルファベットは将来胎盤になる細胞の評価す。
ステージは1~6、評価はA~Cで表します。
ステージ1(初期胚盤胞)2(胚盤胞)3(完全胚盤胞)4(拡張胚盤胞)5(孵化中胚盤胞)6(脱出胚盤胞)です。
評価は、A(細胞数が多い)B(細胞数がやや少ない)C(細胞数がかなり少ない)となります。
グレードの高い胚盤胞を移植すると妊娠率が上がるのか、というとそうでもありません。
グレードとはあくまで胚盤胞の見た目なので、グレードが良くても染色体異常があれば妊娠せず、あまり良くなく胚盤胞到達まで時間がかかっても、染色体が正常であれば妊娠率は上がります。
執筆者:はり師きゅう師
ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹
![ぽん鍼灸院 代表 成実勇樹](https://www.ponshinkyuu.com/wp/wp-content/themes/portals_responsive/image/all/author_pic01.png)
約25年前より東洋医学の世界に入り、経路治療家のもとで現場研修を含め技術を学び、2008年に大阪府豊中市に「ぽん鍼灸院」を開業。
その場しのぎではなく、根本から治す事ができる。本当に苦しい時に治せる技術は東洋医学なんだ。と、その教えは、今の私の技術の基盤となっています。
長年経験していた自身の不妊治療をもとに「困っている人の為に役に立ちたい。」そういった気持ちで対応させていただいております。
「これからできることは何でもしたい!」という方は、ぜひご相談ください。
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