胚盤胞のグレード

2024年06月13日

胚盤胞のグレード

胚盤胞（はいばんほう）のグレードが高いほど妊娠率が上がる、と言われています。体外受精を考えている人は、「胚盤胞のグレード」が気になるのではないでしょうか？

胚盤胞とは？

胚盤胞とは、受精後5～6日目まで成長した胚のことを言います。

受精卵は、培養することで細胞分裂を繰り返しながら成長していき、受精後2～3日目には「初期胚」、4日目には「桑実胚（そうじつはい）」、5～6日目には「胚盤胞」へと成長します。

 

自然妊娠の場合は、胚盤胞の段階で子宮内へ着床するため、体外受精を行う場合も、胚盤胞まで培養器で育てた方が、着床率が上がります。

しかし卵子と精子の質が良くないと、受精卵が胚盤胞まで育たないこともあります。

 

胚盤胞のグレードの見方

4bb、3abなど、胚盤胞のグレードは、数字と２つのアルファベットで表します。

数字

まず数字は、胚盤胞の発育の段階を表し、1～6の数字が大きくなるほど、発育が進んでいるということです。

２つのアルファベット

２つのアルファベットは、それぞれa～cの三段階で表され、最初のものが将来胎児になる細胞、後のものが将来胎盤になる細胞を評価するものです。

細胞の多いものがa、少ないものがcとなり、cよりaの方が妊娠率が高い傾向があります。

胚盤胞のグレードと妊娠率の関係は？

３aaより５aaの方が良いのかというと、そうではありません。

胚盤胞は数時間でぐんぐん成長していきますので、数字はあくまで成長が早いというだけで、妊娠率に差はありません。

重要なのは数字より２つのアルファベットですが、a～cとは見た目の評価ですので、aでも染色体異常で着床しないのもあれば、cでも生命力の強いものは出産までたどりつけます。

なので、グレードが良いから悪いからと、あまり気にしすぎる必要はありません。

胚盤胞のグレードと年齢は関係ある？

同じグレードの胚盤胞を年齢別に移植した場合の妊娠率は、年齢が低いほど妊娠率は高くなるというデータがあります。

しかし38歳以上でもグレードの高い胚盤胞が成長すると、妊娠率は50％前後になるという結果が存在しますので、グレードの高い胚盤胞を育てることが重要です。

 

どうすればグレードの高い胚盤胞になるの？

それはズバリ！卵子の質をあげること！です。では「質の良い卵子」とはどういう卵子のことでしょうか？

卵子には3つの力があると言われています。

眠りから覚めて、成長する力

卵子は排卵される順番が来るまでは、未熟な状態で成長を止めて眠っています。

そして排卵の順番が来た時に目を覚まし、急に成長を始めます。その時間はたった40時間と言われています。

短時間で急激に成長できる力をもつ卵子が、質の良い卵子となって排卵に至ります。成長できない卵子は10個中1個といわれています。

精子を迎えて、受精する力

精子と出会っても受精できない卵子もあります。10個中1～2個は受精できない未熟な卵子と言われています。十分成長して排卵できなかった卵子は、受精できないのです。

分裂する力

受精した卵子は受精卵となって、分裂を繰り返しながら子宮へ向かい、着床を果たします。

着床するまでの5日間で約100回分裂する必要がありますので、絶えず分裂し続ける力のある卵子が立派な胚盤胞となって着床することができます。

 

卵子の質を上げる方法については、当院のブログをご覧ください！